富山大学医学部第三内科

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スタッフブログ

パクリ耐性の話題など

1.EGFR耐性機構はほぼ分かってきていると思われますが、paclitaxelのそれについては、あまり読んだことがなかったのでご紹介

Human Mutations That Confer Paclitaxel Resistance
http://mct.aacrjournals.org/content/9/2/327.short

4つの遺伝子変異が耐性にかかわるらしく、投与前にβ1-tubulinのSNPを確認するような時代がくるかもしれません。



2.昨年末、肝硬変に伴う腎不全の動脈系の拡張にNO、CO、cannabinoidsが関与していることはびっくりしましたが、肝肺症候群にもNO遊離が関与しているようです。

3.カフェインで肝線維化抑制か(?)、追加の検討は必要
Increased caffeine consumption is associated with reduced hepatic fibrosis
http://www3.interscience.wiley.com/journal/122593077/abstract

まだ不確かだとしても、コーヒーのカフェインが肝線維化を抑制しうる機序としては何が考えられるのでしょうか?

4.腹痛症例
http://cme.medscape.com/viewarticle/714983?src=emed_case_nl_0&uac=80728SY

77歳男性が突然で、4時間前から増悪する腹痛のため早朝に救急受診。
 
腹痛は腹部全体で、昨日、差し込む痛みと胆汁の嘔吐があったがなんとかやり過ごせたとのこと。
早朝になり急に腹部全体に持続性で強い痛みを感じた。今は嘔吐していない。ここ数ヶ月、時々消化不良感を自覚してきた。頻度は高くないが、食後に右の背部に広がるような上腹部痛を自覚してきた。食後数分から数時間持続する。

ここまでで、
1.追加の質問は?
2.注意したい身体所見
3.情報収集を行うと同時に起こすべきアクションは?
3.鑑別疾患ともっとも考えられる疾患は?
4.必要になる検査とその意図は?

5.膵頭部癌・閉塞性黄疸例に対する術前胆道ドレナージ施行のベネフィット否定論文
Preoperative Biliary Drainage for Cancer of the Head of the Pancreas  N Engl. J Med. Vol. 362:(1) 129-137 Jan. 14, 2010
http://content.nejm.org/cgi/content/short/362/2/129
術前の胆道ドレナージの合併症率が、46%とのことでした。
診断したら、T-bil
14でも、1週間以内に手術することを推奨するかのような報告ですが、外科の先生のご意見を伺いところです。

6.ノロウイルスの総説
http://content.nejm.org/cgi/content/extract/361/18/1776

興味がマニアですが、

ノロウイルスは近位空腸に病変起こし、胃、大腸に起こさないそうです。遠位小腸は調べられなかったそうですが、ダブルバルーンで検討はできますね。
ただ、なぜか、胃蠕動を遅くするのが、嘔気の原因のようで、内視鏡的には異常がないのに、胃蠕動異常が起こる理由はなんなんでしょうか?

ノロウイルスがどこで増殖しているかも分かっていないらしく、これをはっきりさせるためには、GFP-ノロウイルス作れる?抗体で?一本鎖RNAウイルスで、in situ hybridizationとかできるのでしょうか??(素人コメントですいません)

明けましておめでとうございます!

みなさま、昨年はご指導、また叱咤激励のほどありがとうございました。

本年も、一例一例大切に、ベッドサイドからベンチサイド、ベンチサイドから臨床研究、そして世界へ発信!

を、(目標としては。。。)目指して、精進したいと思います。

新型インフルエンザ対策お疲れ様です。
厚労省に医療従事者向け疫学情報がまとまっています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091225-01.pdf

1.本年は、Mayoの血液疾患の症例さんから


39歳の女性が原因不明の貧血のため紹介されてきました。彼女は多くの併発症があり、もともとHbは10.5 g/dLしかありませんでした。半年前から、重度の貧血に悩まされるようになった。Hbは、なんと3.5程度。輸血依存になっている。打ち身ができやすいとか、 月経過多があるとか、出血傾向があるとかそんな病歴は聴取できません。黄疸を疑わせる身体所見もありません。家族歴、血液疾患の既往歴もありません。他院外来での血液検査では原因を説明できる異常を指摘できず。

Churg-Straussによると思われる喘息があり、ステロイド自己注射用のトンネル型中心静脈が挿入されています。気管支拡張薬、エリスロポエチン製剤、鉄剤静注、抗うつ薬、抗不安薬が投与されています。

身体所見では、軽度蒼白以外は特記事項なし

血液検査では、Hbは4.9だが、MCVは94.4、Hctは13.4、WBC6000、plateletは20万で、凝固系は異常なし。(最終輸血後24時間以内の採血)


最も考えられる原因は?

自己瀉血??
http://mayoclinicproceedings.com/content/85/1/e1.short

2.APTに興味深い報告が並んでます
infliximab登場前後のCDの予後は? 手術必要率、疾患関連合併症率にはIFX前後のコホートでは差が無かった(?)。step-up 治療アルゴリズムでは、IFX使用は、手術必要率、疾患関連合併症率は減らさなかった、という結論。top-downのRCTは、Lancet. 2008 23;660-7ぐらいなんですね。top-downでの長期予後はどうなんでしょうか。
http://www3.interscience.wiley.com/journal/122649788/abstract

3.RECISTの話題。固形癌の治療判定は、RECISTを用いますが、分子標的治療の効果判定には使いにくいといわれてきましたが、CTによる形態学的判定の方が、RECISTよりも良いのではという報告。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/302/21/2338

4.大腸憩室症は神経疾患(の可能性)?
http://www3.interscience.wiley.com/journal/123226325/abstract
高齢者だと腸管の神経が減る。高齢者には憩室症が多い。この報告では、構造変化に注目してグリア濃度も下がることも報告しているようです。

高齢者と抗凝固、抗血栓薬処方数が増え、大腸憩室出血が増えてますが、憩室症そのものが予防できれば、それに越したことはないです。


最後に、DSソフトのご紹介

1.らくらく心電図 トレーニングDS

2.てきぱき救急急変トレーニングDS

年末年始のお休み中及び日当直中の合間でもさくさく進んで、結構勉強になります。

GEMにCap

膵癌に対して、GEMに、Capを追加した第三相試験の結果(抄読会)

http://jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/JCO.2009.24.2446v1

ランダム試験
対象:局所進行、転移癌
客観的反応率は、GEM (n = 266)郡では、 12,4%であるのに対して、併用群では、19.1%であったとのこと。

無増悪生存ハザード比は、0.78 (0.66-0.93)であると。

よさそうな感じですが、手足症候群などの有害事象がどの程度増えたか気になりますね。
本文でご確認を。


AIP新規マーカー、B肝、憩室出血、胆石の話題

1.自己免疫性膵炎の抗体であるpeptide AIP1-7と相同性のあるH. pyloriのplasminogen-binding protein (PBP)に対する抗体が、AIPのマーカーになるという報告です。

http://content.nejm.org/cgi/content/short/361/22/2135

感度は自己免疫性膵炎で33/35(94%)、膵がんで5/110(5%)。特異度は、この2者間だけとすると97%程度となる(?)。

PBP抗体は市販されてないようですね。


2.B型肝炎 AASLD 大路 剛先生のサマリーを見つけました。
日米間の比較もできて勉強になります。
http://www.theidaten.jp/journal_cont/20090922J-14-1.htm

3.憩室出血管理のレビュー
http://www.medscape.com/viewarticle/712241
憩室疾患進行予防に、繊維類摂取と身体活動レベルを上昇させるのが効果があるかもしれない、というのがevidenceレベルがBなんですね。

4.スタチンと胆石
胆のう摘出後にスタチンを使うと胆石症が減少するそうです。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/302/18/2001

血性脂質と胆石との関係は実ははっきりしておらず、アポリポ蛋白E4表現型、中性脂肪上昇が陽性に関連しており、HDLコレステロールとは陰性に関連しているそうです。

スタチンがどうして胆石症を減少させるのか、想像が膨らみますね。


正直、血液の話題があまりフォローできていませんね。。。

潰瘍性大腸炎の原因遺伝子の話題

ニュースで話題になっていた潰瘍性大腸炎の原因遺伝子の元論文は、

これでした。
http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/abs/ng.482.html

日本人で、新たに同定された3つの感受性遺伝子座は、

the immunoglobulin receptor gene FCGR2A
a locus on chromosome 13q12
the glycoprotein gene SLC26A3

だそうです。

本文も読んでみたいと思います。

セル でました

生化学講座から出ました

すごい!!

http://www.cell.com/abstract/S0092-8674%2809%2901309-9

消化器病学におけるクリニカルパール

Mayoクリニックより

クリニカルパールとは、臨床医-学習者が記憶しやすく3つの特徴を持った教育フォーマット
1)症例から楽しく学べる
2)臨床現場で使える簡潔で実用的
3)問題を解決することに喜びを感じる

ACP(米国内科学会)でのプレゼンテーションのレビューのようです。
http://www.mayoclinicproceedings.com/content/84/10/906.short
http://www.youtube.com/watch?v=R4p7KBI37u0&feature=player_embedded

症例1 48歳男性。輸血後25年で、検診で肝機能の異常を指摘され受診。血液検査、エコー、肝生検で、C型慢性肝炎と診断。次のステップとして最適なものは?(ウイルスの型についての選択肢はありません。)

症例2 24歳の男性が4年間の間欠的な嚥下困難を訴えて受診。固定物のみで液体ではない。胸やけ、逆流を感じるが体重減少なし。過去に2度内視鏡をしているが正常。上部透視も正常。PPIを投与されても変化なし。季節性allergyの既往がある程度。次のステップで最適なものは?

症例3 41歳の女性。8ヶ月のIBS様症状。大腸鏡異常なし。血液検査では鉄欠乏性貧血。次のステップで最適なものは?

症例4 44歳の男性。6ヶ月の下痢型IBS様の症状で、夜間にも排便がある。3年前肥満のためRoux-en-Yバイパスを受けている。鉄をビタミンB12を飲んでいて、血液検査では、ビタミンB12は正常下限程度。便倍、大腸鏡かつ小腸鏡・生検も正常。最適な診断は?
これは難しい。

症例5 28歳の男性。ここ数年の間欠再発する嘔気嘔吐で受診。月2,3回、数日ある。痛みが取れるかもと5年間マリファナ服用(?!)している以外病歴に特記なし。検査も、いろいろされたが異常なし。数時間温かいシャワーを浴びると嘔気は柔らぐ。最適な診断は?

この病態は個人的には非常に興味深いです。

症例6 68歳の女性。高血圧で6ヶ月前に降圧薬開始。3ヶ月前に血液検査異常なし。Cre1。今回、電解質正常、Cre3.8。2週間前に大腸鏡(結果も何もなし)をした以外特記なし。その時の下剤は何が使われていそう?

学内から本文に、アクセスできるはずです。

アメリカから失礼します。

学会参加のため、アメリカに来ていました。

記念に(?)こちらからも投稿します。

少し間が開いたのでたまってしまいました。


1.肝硬変に伴う腎不全
Renal failure in cirrhosis
N Engl J Med 2009;361:1279-90.
門亢症によって、腹腔動脈拡張が起き、全身血管抵抗が低下し、血管収縮系が働くため(RAAや交感神経)、Na、水が貯留し、腎血流も低下するために腎不全になる。そこにBTによる炎症も関与している。
感染と消化管出血は疑ってかかり、NSAIDsは中止せよ、とのこと。
まずはアルブミン投与は良いとして、血管収縮性薬剤の投与を進めているが、これについては日本においてコンセンサスはありますでしょうか?

動脈系の拡張にNO、CO、cannabinoidsが関与しているようですが、この部分をもう少しはっきりさせてブロックできればいい治療薬になりそうですね。

2.microRNAと肝細胞がんの生存率・インターフェロン反応性の報告が出てました
http://content.nejm.org/cgi/content/short/361/15/1437
miR- 26について

3.26歳の男性が腹部膨隆とショックに陥っている。彼は入院の夕方までまったく問題なく、その前には、フランクフルトソーセージを5,6本(!!)食べてから軽度の腹痛を感じたのだが。その痛みは徐々に悪化して、翌日には嘔気も伴った。入院日の夕方には家族が彼の反応がなく、コーヒーを挽いたようなものを口から出しているのに気づいた。そのため救急車で受診した。意識がなく、挿管となった。
http://content.nejm.org/cgi/content/short/361/15/1487

この疾患の病態生理がどうなっているのか興味深いところです。

4.がん患者の皆さんへの運動療法の効果はどうか
がん患者さんから

「運動したいのですが?」

と聞かれたらどう答えるだろうか?
(通例では、ご自身で自粛されて医者には聞きにくいのではと想像します)

BMJ 2009;339:b3410
転倒の危険のないがん患者さんに管理下で運動介入をしたら、適用性および安全性は十分で、疲労や元気度が向上し、運動能力や情緒的な向上も確認された。ただ、QOLについては差はなかったとのこと。

改めて、

がん患者さんから

「運動したいのですが?」

と、聞かれたらどう答えましょうか?

5.細菌性下痢 NEJM 2009;361:1560-9.
http://content.nejm.org/cgi/clinical-audio/361/16/1560/
勝手に問題にしました。

人-人感染を挙げよ
CD感染は外来ではない ○か×か
血液培養も重要な細菌性下痢の起炎菌は?
水溶性下痢の場合どの程度便培養で起炎菌が同定できるか?
水溶性下痢から血性下痢に移行した場合想定する起炎菌は?
院内発症の下痢で便培養はどるかどうか
HUSの原因になる起炎菌は?
ギランバレー症候群を起こしえる起炎菌は?
感染後IBSを起こしえる起炎菌は?

このシリーズに、子宮外妊娠や、大腸癌スクリーニングなどあります。

以上です。 

重症患者さんへの経静脈栄養まとめ

いつもお世話になる経静脈栄養ですが、NEJMにまとめがありました。

Parenteral nutrition in the critically ill patients
New Engl J Med 2009;361:1088-97.

http://content.nejm.org/cgi/content/short/361/11/1088


症)腹痛と失神 と、偽膜性腸炎、パニツムマブ、

症例)

腹痛と失神の61歳女性

Q.1 この時点で、最も考えられる疾患と、除外したい疾患を挙げてください。


61歳女性が、テレビを見ながら夕食を食べている時に、急に上腹部が痛くなり、救急部を受診した。
腹痛は持続的で、右肩に放散した。
彼女は発砲性の制酸/鎮痛剤を内服し、その後、グリセリン坐薬を使用した。正常便が出たにも関わらず、腹痛はまったく改善しなかった。彼女は背中の痙攣のために家に持っていた痛み止め
(hydrocodone)とジアゼパムも飲んだが、腹痛は悪化した。吐き気を感じ、嘔吐しにトイレにかがんだときに、頭がクラクラし、目の前が暗くなり、浴槽に頭を打った。血液混じりの便はしていない。
現在、どんな動作でも腹痛がおき起き、吐き気は持続しているが、嘔吐はしていない。少し頭がクラクラ感じており、胸痛や、動悸はないそうだ。発熱はない。

Q2. この時点で、最も考えられる疾患と、除外したい疾患を挙げてください。

Q3. 更に必要な病歴は

Q4. 必要な検査は

詳細は、こちらで、
http://cme.medscape.com/viewarticle/707895

報告)
1)偽膜性腸炎の話題
Diagnostic and treatment delays in recurrent Clostridium difficile-associated disease
Journal of hospital medicine 2008 vol. 3 (2) pp. 156-9
http://www3.interscience.wiley.com/journal/118860271/abstract

クロストリジウムディフィシレ関連疾患の入院患者のレトロスペクティブコホートの検討で、初回、再発での診断、治療のタイミングを検討していたら、サンプル採取の日については初回と、再発で差がなかったが、症状発現、サンプル採取から治療までの期間は再発で短くなっていたが、それでも2.5日もあった。

早く見つけたいものです。
ところで、偽膜性腸炎には、メトロニダゾールですか?バンコマイシンですか?

2)パニツムマブのKRAS遺伝子変異のない結腸直腸癌に対する効果
第三相試験で、KRAS遺伝子に変異がない場合は、FOLFIRI療法に加えると、無増悪生存期間中央値が有意に延長したが、全生存期間中央値は延長したものの、有意差はなかったとのことです。

有意差がなかったというところが、気になります。

今後、どういう位置づけになるのでしょうか?


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