富山大学医学部第三内科

富山大学医学部第三内科

第三内科紹介

富山大学医学部第三内科は消化器内科・血液内科・腫瘍内科を専門分野としており、これら領域の富山県内、周辺県における最先端医療を担っております。当科では患者さん、ご家族に満足していただける高度の、かつ最新の医療を実践することを目標とし、併せて、これら領域を専門とする専門医養成の中心的教育機関でもあります。臨床をベースとして明日の診療に役に立つ基礎医学研究にも力を注いでおり、その成果を患者さんに還元する「ベッドサイドとベンチのクロストーク」を当科の臨床、研究、教育の基本姿勢としております。

本来、内科医には特定の診療領域にとらわれることなく広い視野と知識、見識が要求されますが、特に研修医には内科医としての知識、見識を習得できる、きめ細かい指導が必要であり、関連基幹病院と一体となり、豊富な症例、経験を積む研修システムを構築しております。消化管難治性疾患、肝胆膵難治性疾患、消化器自己免疫疾患、消化器がん、造血器腫瘍を中心に高度な先進医療を実践しておりますが、病棟の半数以上が腫瘍性疾患です。今日、がん治療を専門とする腫瘍内科医の養成は社会的要請であり、当科はがんセンター等でがん治療の専門教育を十分に受けた複数の指導医がいる診療科でもあり、富山県内、周辺県におけるがん診療の中心的役割を担っております。

教授のご挨拶

富山大学附属病院教授
杉山 敏郎
Toshiro Sugiyama
富山大学附属病院教授

当講座のめざす研修・期待する医師像

富山大学医学部内科学第三講座は昭和54年に開講され、初代佐々木博教授、第二代渡辺明治教授、そして平成16年から私が引き継いで今日に至っております。したがって来年で開講30年になりますが、医学、医療の本質は変わらないものの、ここ数年、取り巻く医療、医学教育環境は激変し、とりわけ卒前・卒後教育、卒後臨床研修制度、大学制度の大改革があり、従来型の思考法そのものの変革が必要とされてきました。

大学医学部の社会的使命は教育、診療、研究にありますが、近年の大改革は教育偏重のようにも見えます。言うまでもなく優れた臨床医の養成、教育は当面の我々の大きなタスクです。しかし、多くの先輩医師が実感しているように多数の症例を経験することが優れた臨床医の養成に結びつくか、と問われれば答えは「No」です。 優れた臨床医としてのセンス(感性)は「一症例、一症例を丁寧に診察、考察、洞察する思考力」の蓄積がなければ磨かれず、何百症例の単なる経験からは「医療技術師」以上の能力向上は望めません。これには常に「患者さんの背後にある病態の隅々まで洞察する」トレーニングを身をもって示す指導医が必要です。我々の講座の基本姿勢は「病態の隅々まで洞察する」、「わからないことは徹底して調べ、考え抜く」教育です。このような思考法から早晩、いかに今日の医学には未解決の課題が山積しているかを知るでしょう。このような教育こそが、その解決に向けての高いモチベーションを与え、明日の医学研究、患者さんに還元できる新しい医療の大きな展開につながる原動力となるのです。

さて具体的に当科の研修内容を紹介しましょう。我々の講座は消化器病学、血液病学、腫瘍内科学を専門領域としております。現在の2年間の初期研修では6ヶ月、最長でも14ヶ月の内科教育ですから、この期間内では一般内科研修すら十分とは言えません。したがって後期研修は3年間を目途に、1-2年を消化器病学、血液病学、腫瘍内科学を中心とした一般内科研修、後半の1-2年は各自の希望に応じて消化器病学、血液病学、腫瘍内科学の専門医研修ができるように経験豊富な指導医のいる関連病院での研修と一連の研修計画を立て、これに沿って研修を積んでいただきます。後期研修終了時には認定内科医を取得できる技量、知識が修得されるはずです。これからの医師流動化時代、専門医取得は必須です。現在の我が国の専門医制度は「2階建て」となっており、消化器病専門医、血液病専門医は認定内科医取得後でなければ取得できません。我々の内科では後期研修、その後の大学での研修により卒後8-10年で消化器病専門医、血液病専門医を取っていただきます。今日、大学病院は研修医の研修病院でもあり、専門医の研修病院でもあり、かつ高度の先進医療を提供する医療機関、研究機関でもあります。大学では専門診療グループ(消化管、肝胆膵、血液、腫瘍内科)に属して高度の専門医研修、先進医療研修をしていただきます。個々の内容は診療体制、診療トピックスで紹介されますが、高い診療技術の修得は必要ですが、先進医療に取り組むためにはそれだけでは不十分です。前述のように、複雑な疾患、治療法の確立していない疾患の背後にある病態についての深い洞察力、問題解決能力を養う必要があります。私は消化管を専門とし、消化管疾患の大きなパラダイムシフト、疾患概念の転換期を、その真ただ中で経験し、診療および研究に従事してきました。新展開をすばやくとらえ、今後、この領域を志望する情熱ある研修医に、是非、その魅力ある先進的医療を伝えたいと思っております。例えば分子生物学的手法による腫瘍化機序の研究に基づいた消化管間質腫瘍(GIST)の新しい分子標的治療、耐性克服、NSAIDs小腸潰瘍、潰瘍性大腸炎の病態関連細菌研究に基づく新治療、多彩なピロリ菌感染の分子病態の解明などです。私の期待する医師は「ベッドサイドの疑問をベンチで解決し、ベンチの成果を患者さんに還元する問題指向性の高い医師」、「広い視野で情報を世界に発信できる医師」です。そして我々は医療を実践するプロ集団です。「患者さん、ご家族の気持ちのわかる医師」であることは当然です。

情熱ある、モチベーションの高い消化器病、血液病、腫瘍内科を志す研修医が来られることを心から期待しております。

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